- TOEIC特有の受験テクニックを身につける
- TOEIC問題集を10セットやり込む
- 2時間の試験をやり切る集中力を付ける
初めてTOEICを受けたときのスコアは450点位でしたが勉強の末、855点を取ることができるようになりました。
もともと英語が出来たわけでもなく、好きでもない僕が800点超えを達成することが出来たのはひたすらTOEICに関する情報収集を行って効率の良いスコアの上げ方を突き詰めたからです。
TOEICというのはマークシート形式で、問われる英語のレベルも高くありませんので実は英語が大して聞けなくても、理解できなくても確率を意識して選択肢を選んでいけばそれなりに正解を選べてしまいます。
『このゲーム(TOEIC)には必勝法がある』
この記事では僕のTOEICに関する知識の集大成をお伝えします。
過去に研究室の後輩にこの記事で紹介する方法論とほぼ同じ要領で指導したところ、800点を達成させることもできました。
一番大切なのは本人のやる気であることは間違いありませんが、一応は再現性のある方法かと思われます。
800点超えを達成するための戦略は③からとなります。①と②は興味のない方は飛ばしちゃってください。
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TOEICのスコアを上げようと思った理由
僕がTOEICのスコアを上げたのは『自分の問題解決能力を具体的に数値化するため』が主な理由です。
問題解決能力と書くと少し大げさですが、要は目的を達成する能力の高さのことです。
目標を設定して、情報収集を行って、戦略を練って、計画を立てて、実行して結果を得る。
このプロセスというのはTOEICに限らず他の分野でも同様ですよね。
僕はTOEICのスコアを上げることを通して問題解決能力を向上させるとともに、現在の自分はどの程度の問題解決能力があるのかをTOEICのスコアという具体的な数字で数値化しようと考えました。
結果として855点までスコアを伸ばすことが出来て、就活でもTOEICのスコアを上げようと思った経緯や800点超えを達成するための戦略の受けはかなり良かったです。
僕はTOEICをいかにスコアを上げるかというゲームに見立てていたというのがポイントで、英語力を向上させるという意図は皆無でした。
たまに「800点超えてても英語が喋れないって資格オタクかよ」と言われるのですが、そもそも英語を話すことを目的としてTOEICの勉強をしていないので、この指摘は的外れです。
僕は英語を話せるようになることを目的とするのであれば
- TOEICで高いスコアを取って(英語の勉強意欲があることを示す意図)ビジネスで英語を使う企業に入社する
- 在学中に研究留学をする
- 外国人がたくさんいるバーに飲みに行く
これらの手段を選びます。
今一度自分がどうしてTOEICの勉強をするのか、目的を深掘りしてみてください。
英語を話せるようになることを目的とするのであれば、必ずしもTOEICの勉強をすることが正しいとは限りません。
TOEICの勉強にしても、目的によって勉強方法は大きく変わります。
僕の紹介する勉強方法は英語力の向上を度外視して、徹底的にスコアを上げることに特化したやり方です。
僕と同じような目的を持ってTOEICに取り組む方にはピッタリだと思います。
TOEICがコスパの良い資格である理由
TOEICは数ある資格の中でもかなりコスパが良い部類に入ると考えています。
TOEIC800点は努力量と周囲からの評価の間に大きな乖離があります。
日本では英語ができる人というのは今でも貴重な人材で、特に日系企業のお偉いさんたちは英語が全く出来ない人も多く、英語が出来ない人から見ればTOEIC800点というのは輝かしく見えてしまいます。
(TOEICで800点取ったとしても英語ができる証明にはならないにも関わらず。)
誰もが知っている日本を代表する企業の管理職に昇進する条件がTOEIC600点だったりしますからね。
世間からの評価と実際の難易度のギャップを利用しない手はありません。
TOEICは最強の錯覚資産
TOEICのコスパの良さの秘密は最近流行りの錯覚資産にあります。
人間には何か一つ優れている点があれば、ハロー効果でその人を優れた人物だと錯覚してしまう習性があります。
本の中でも紹介されていますが、カナダのとある選挙でイケメン政治家はそうでない政治家の2.5倍もの票を獲得していました。
そして興味深いのがイケメンだから投票したと回答したのがわずか14%で、ほとんどの人は政策や人柄といった容姿とは別の理由で投票していたのです。
「容姿」という優れている点を持っていることにより、ハロー効果で「政策」や「人柄」といった他の分野も全体的に優れているであろうと錯覚してしまうのです。
TOEICは努力量の割に周りからの評価が高いので、人を錯覚させるにはピッタリの資格です。
高い学歴や特に際立ったスキルがないのであれば、とりあえずTOEICで800点を超えておくというのはかなり有効な選択肢です。
TOEIC800点超えを達成するための戦略
TOEICのスコアは英語力だけで決まるわけではなく、『英語力』×『受験テクニック』の掛け算で決まります。
TOEICは毎回同じ形式で問題が出題されることが予め分かっている試験なので、このPartはこう解けば時短出来て、正答率も上がるといった受験テクニックが大活躍します。
受験テクニックが努力量と評価のギャップを生み出している部分で、『受験テクニック』を熟知してしっかりと分量をこなすことで800点は容易に達成できます。
理想は英語力、受験テクニックの両方を向上させていくことですが、TOEICにそんなに時間かけてられないですよね?
僕自身TOEIC初受験では450点で、英語力も受験テクニックもありませんでしたが、徹底的に受験テクニックに関する情報収集を行って、公式問題集などで演習を重ねることで855点を取ることが出来ました。
もちろんTOEICの勉強の最中で英語力が向上したことによるスコア上昇も否定できませんが、あくまで副次的です。
800点を超えるための戦略はこの3つです。
- TOEIC特有の受験テクニックを身につける
- TOEIC公式問題集を10個やり込む
- 2時間の試験をやり切る集中力を付ける
ここからが本題ですね。じっくりみていきましょう。
各Part毎の受験テクニックと対策
TOEIC受験に必須の道具
TOEIC受験には必須の道具があります。
- マークシート用シャーペン
- 普通のシャーペン
- 消しゴム
- 耳栓
この4つを必ず受験会場に忘れないようにしてください。特に『マークシート用シャーペン』と『耳栓』は必須中の必須です。
一般的には鉛筆を利用する人が多いですが、鉛筆は丸くなった状態でも意外と接地面積は少なく、一つマークするのに2〜3往復する必要があります。
『マークシート用シャーペン』は1.3 mmという超極太の芯を採用しており、マークシートが抜群に塗りやすいです。
消しゴムと替芯がセットで300円台と、とても安いです。
次に大事なのが『耳栓』。あまり声を大にして教えてはいけないのかもしれませんが、実はTOEICでは申告すれば耳栓の使用が可能です。
TOEICの試験がはじまる前に、受験票と試験で使う予定の耳栓を持って試験監督に「試験中に耳栓使ってもいいですか?」と聞いてください。
そうすれば受験番号のメモを取られて、試験中の耳栓の使用が許可されます。僕は3度ほど確認を取って耳栓を使用して受験しましたが、スコア取り消しや警告などといったことは一度もありませんでした。(あくまで自己責任でお願いします)
耳栓はリスニングが終わった瞬間に装着し、耳栓を付けた状態でリーディングの試験を受けます。
集中できていれば周りの雑音は気になりませんが、やはりできるだけ静かな環境で受験出来たほうが良いですよね。
もしかしたら隣の受験者が風邪を引いていて咳がうるさい可能性もありますので、耳栓をして受験することに越したことはありません。
オススメの耳栓はこちら。TOEICに限らず色んな場面で使用しています。
マークシートの塗り方①『仮塗り』と『本塗り』
TOEICはマークシートで解答を行うので、マークシートをいかに早く塗るかというのも重要なポイントとなってきます。
「マークシートを塗る時間なんて誤差の範囲」と思われるかもしれませんが、僕はマークシートの塗り方を徹底することによって周りの人より5分問題を解く時間を長くしていました。
TOEICにおける5分はとても長いですよ。Part7が解ききれずに終えちゃう人が多いと思いますが、5分長ければ間に合うかもしれません。
マークシートを塗るときに気をつけるポイントは2つあります。
- 仮塗りと本塗りを使い分ける
- 本塗りはまとめて一気に塗る
先程、TOEICに必須の道具としてマークシート用シャーペンとは別に普通のシャーペンも入っていましたが、普通のシャーペンは『仮塗り』用に使います。

『仮塗り』と『本塗り』を使い分けるのは特にリスニングセクションにおいてとてつもない効果を発揮します。
リスニングの中でも特にPart3,4は『先読み』という音声が流れる前に設問を読んで会話を予想した上で音声を聞くテクニックが必須で、マークに時間を使っているのはもったいないです。
マークにかける時間を削減して先読みする時間を増やすだけでPart3,4の正答率アップは可能です。
仮塗りは選んだ選択肢に一本線を引くだけなので、問題用紙から目を離す時間が少なくなります。
『仮塗りと本塗りを使い分けてマークするパターン』と『一度でマークする一般的なパターン』どちらが良いか、Part3,4を一度解いて確かめてみてください。
圧倒的に『仮塗りと本塗りを使い分けてマークするパターン』の方が正答率が高くなるかと思われます。
僕はリスニングに関しては1〜100問まで通して全て仮塗りを行い、リスニングの問題の音声が終わってリーディングに切り替わるタイミングで一気に1〜100問まで本塗りを行います。
リーディングはPart5,6と順に仮塗りを行い、Part6を解き終えたタイミングでPart5,6を全て本塗り。
Part7も同様に仮塗りを行っていき、最後まで解ききってから本塗りを行います。時間が足りないと感じた場合は途中までで一旦本塗りして、残り時間は仮塗りを省略して、本塗りでなんとかマークシートを埋めていきます。
マークシートの塗り方②『ペンを残す』
このテクニックはPart1、Part2で有効となります。
問題文が読み上げられ、その後に「A」から順に選択肢を読み上げられます。
例えば「A」の選択肢が読み上げられたときに「Aが正解」もしくは「Aが多分正解だけど若干不安」と思えば、ペンの先っちょを「A」のマークシートの上に置いたまま次の選択肢の音声を聞くようにしてください。

そして「B」「C」と選択肢の音声を聞いて「B」「C」が明確に正しいと思えなければ「A」を仮塗りしてください。
「A」の選択肢が正しいと思えなかった場合は、ペンの先っちょを「B」にスライド、「B」も正しくなければ「C」にスライドしていきましょう。

もしどれも正解だと思えずに最後の選択肢(Pard1ならD、Part2ならC)にペンの先っちょが置かれていた場合は、迷わずに「C」を仮塗りして次の問題に集中してください。
人間の記憶というものは愚かで、時に自分の都合のいいように解釈してしまいがちです。
選択肢を順に聞いていき、これが正解だと思える選択肢が無かった場合、なんとなくの記憶を呼び起こして『「A」を聞いたときは間違いだと思ったけど、今思い返すとやっぱり「A」が正解ぽかったな』と記憶を改竄してしまいます。
『ペンを残す』テクニックを使うメリットとしては、このような人間の記憶の悪い特性を排除できることにあります。
もし音声を聞き終わった後に「A」にペンが残っていなければ、「A」を聞いた時点では『この選択肢は絶対にありえないな』と確信していたわけですから不必要に「A」の選択肢の記憶を呼び起こす必要がありません。
仮に「B」にペンが残っている状態で「C」の選択肢と悩んだ場合は適当にどちらかを選んで50%の賭けにでましょう。
もしペンを残さずにこの状態に陥っていたら「A」も考慮しないといけなくなり、正解を選べる確率が33%に落ちます。
TOEICは時に潔く確率に頼ってしまうことも重要ですし、少しでも正解を選べる確率を高める必要があります。
この方法はある程度正しく英語が聞けるようになってくると、どんどん効力を増してきます。
次に各Part毎の受験テクニックやポイントなどをみていきましょう。
Part1:特に対策する必要なし
Part1は問題数が6問と少ないこと、そこまで難易度も高くないことから特に対策する必要はありません。
問題を解く中で慣れていきましょう。自然に正答率は上がっていきます。
Par2:3つの中から最も”適当”な選択肢を選ぶ
Part2はここ数年難化傾向にあり、発音に癖がありすぎて何を言ってるかも分からなければ、スクリプト(文字に起こしたもの)を見てもこれが本当に正解なの?と思ってしまう問題が多いです。
そんな中でも正答率を上げていくには先述した『ペンを残す』テクニックの活用と『最も”適当”な選択肢』を選ぶという意識が重要となってきます。
TOEIC全体を通して言えることですが、語学の分野において”絶対的”正解は存在しません。
疑問文であれば「肯定」「否定」「聞き直し」「疑問文返し」などなど答え方の種類も多様であれば答える内容もまた多様です。
Part2では特に最も適当であろう選択肢を選ぶ意識を持ってください。
「A」「B」「C」のどれも正解だと思えなくても、3つの中で強いて選ぶならこれであろう選択肢に絞る必要があります。
『自分の中で答えを作らないこと』を意識して音声を聞いてください。
『Where was the bag ?』(このカバンはどこにありましたか?)
と聞かれた時に「机の上かな、椅子の上かな」といった邪推をしてはいけません。
ただ純粋に頭の中に人がカバンを持ちながら『Where was the bag ?』を言っている風景を頭の中でイメージします。
その隣で別の人が選択肢の音声を読み上げているイメージをプラスします。
「自分ならこう答える」「こう答えるのが自然」といった無駄な思考はTOEICには不要です。
これらのことを意識しながら特訓を重ねれば不思議と英語自体はあまり聞けなかったのに、正答率が8割9割に達するようになります。
Part2は最近難しいですが、そもそも3択で適当に選んでも3分の1で正解を選べますので、受験テクニックのアプローチで正解を選べる確率を高めていきましょう。
Part3,4:先読み、指置きで無駄な時間を削減
Part3,4はリスニングパートの問題の7割を占め、Part3,4ができるかどうかでリスニングの点数があらかた決まります。
Part3は2人もしくは3人の対話(来週のプレゼン発表どうする?のような内容)、Part4は1人が話す内容(美術館の注意事項の説明など)を聞いた後に内容に関する3つの設問に答える形式です。
問題文が理解できなければ総崩れして一気に3問落としてしまいますので、かなり厄介です。僕もPart3,4に関してはかなり苦労しました。
最終的にはPart3,4は9割を安定して取れるようになったんですが、その理由としては『聞けるようになれば逆に全問正解できるから』です。
Part3,4を攻略できれば、ほぼ800点は見えています。
Part3,4ではこれら3つのことを意識して問題を解いてください。
- 設問の『先読み』で問題の内容を予想する
- 設問を『森』or『木』に分類する
- 『指置き』をマスターして問題用紙から目を離さない
設問の『先読み』で問題の内容を予想する
『先読み』をする目的としては「設問では何が問われているのか」を把握するためと思っている人が多いかもしれませんが、最大の目的は『問題文の音声を聞く前に問題の内容を予想するため』です。
例えばこの問題

公式問題集Vol.4 TEST1 Part3より
- 「41」は会話がどこで行われているか
- 「42」は女性が何をしたのか
- 「43」は男性がなぜ喜んでいるのか
をそれぞれ問われています。
これだけ分かればこの問題は『会話の中で女性が何かをして、その結果男性が喜んだ話』であろうことが予測できます。そして会話が行われている場所は話の中の単語で推測できるであろうと。
基本的にはこのような単純な予測でOKです。たまに難しい問題ではその予想を覆す結果となりますが、その問題は正解できなくても800点は達成できます。
そして話の筋道をあらかた推測できれば、選択肢の組み合わせが絞れます。
「42」(A)が「Checked a schedule」(女性はスケジュールを確認した)ならその結果男性が喜ぶには(C)の「Tickets are still available」か(D)の「He expects to arrive on time」が候補となります。
「42」(B)が「Prepared a presentation」(女性はプレゼンの準備をした)ならその結果男性が喜ぶ(プレゼンの準備をしてくれたおかげで遅刻せずに済む)には(D)の「He expects to arrive on time」が候補。
「42」(C)が「Orderd some parts」なら「43」は(D)の「The cost was reasonable」でしょう。
「42」(D)が「Reserved some tickets」なら「43」は(C)か(D)でしょうね。
そしてそれぞれの状況を思い浮かべれば「41」の会話が行われている場所も決まってきますよね。
このように設問をヒントにすれば問題文を聞く前から話の流れがある程度読めてしまいます。
ちなみにこの問題の正解は「41」が(B)「42」が(A)「43」が(D)となっています。
話の流れとしては男性が女性に9:15の電車はもう発車してしまったかどうかを尋ね、女性は今日は電車が全て数分遅れていると駅員が言ってたことを男性に伝え、男性はそれなら時間に間に合う!今日はプレゼンをすることになってたから遅れたらまずかったですわといった内容です。
話の内容を予測せずに問題を解くと、問題文でプレゼンの話が聞こえたので「42」で「Prepared a presentaiton」といった選択肢を選びがちです。
慣れるまでは設問を読むことで精一杯になってしまいますが、徐々に徐々に予測の精度を練習して上げていきましょう。
設問を『森』or『木』に分類する
設問は問題文全体を通して問われる『森』の問題と、問題文の中の一部が問われる『木』の問題の2つに分類できます。

公式問題集Vol.4 TEST1 Part3より
先程と同じ問題ですが、この問題を分類すると
- 『森』…「41」
- 『木』…「42」「43」
となります。
森の問題は「話している場所」や「話している内容」を問う問題で、総合的に判断して正解を決める必要があります。
「41」は会話が行われている場所を問われていますので、話を聞いて「あ、この会話は電車に間に合うかどうかの話で、女性が駅員にタイムスケジュールを確認していたりするわけだから(B)の電車の駅が答えだな」といった感じです。
木の問題は基本的に一つの文の中に答えがあります。
「42」は女性が何をしたのかを問われており、女性の発言の「I checked to see if the timetabel 〜」を聞いて「タイムテーブルを確認した、つまりスケジュールを確認したのが答えだな」と。
Part3,4ともに、基本的には1問目が『森』を問う問題、2,3問目が『木』を問う問題という構成です。
『森』を問う問題の選択肢を先に選ぼうとすると『木』を問う問題を聞き逃したり、会話の内容や場面を先に決めてしまったばかりに辻褄を合わせるために『木』を問う問題で間違った選択肢を選んでしまいます。
『指置き』をマスターして問題用紙から目を離さない
『指置き』テクニックは紹介している人が少ないので、あまり知られていないテクニックかもしれません。
Part3,4では『指置き』で出来るだけ設問から目を離さず、マークシートに目を移す時間を最小限にする必要があります。

公式問題集Vol.4 TEST1 Part3より
このように問題文が読まれる前に、設問の横に選択肢を指すための指を3本セットしておきます。

公式問題集Vol.4 TEST1 Part3より
このときにたとえ『仮塗り』であっても問題文を聞いている最中にマークを絶対にしてはいけません。選んだ選択肢に指を置くだけです。
3つ全ての選択肢に指を置いてから、選んだ選択肢「B、A、D」を3つ一気に仮塗りします。
この流れに関してはこの次の項の『Part3,4の実際の解き方の流れ』で詳しく解説します。
指置きをせずに解答する場合は、「41」が「B」だと思えば「B」をマークし、「42」が「A」だと思えば「A」をマークし…とイチイチ問題用紙と解答用紙を往復する必要が生じます。
これはただでさえ時間のないPart3,4で圧倒的に無駄な時間です。
Part3,4の実際の解き方の流れ
それではPart3,4の実際の解き方の流れをみていきます。
問題が手元にあれば問題を見ながら一緒に流れを把握すると理解が深まります。
- STEP13つ全ての設問を読むまずは選択肢は読まずに設問文だけ読みます。それぞれの設問がどういった内容を問うているのか把握します。
- STEP2『森』か『木』の問題に分類それぞれの設問を『森』か『木』か分類してください。『森』の問題は総合的に判断しないといけないので、この問題は問題文を聞き終わってから選ぶことを意識。
- STEP3設問の選択肢を読んで話の流れを予測する選択肢を読んで、話の流れを予測しましょう。
- STEP4指置きしながら問題文を聞く問題の音声を聞きながら、正解の選択肢が分かればその選択肢に指置きしていきましょう。
- STEP5マークシートに選択肢を仮塗りする指置きして選んだ選択肢3つを一気にマークシートに仮塗りする
- STEP6次の問題に進み、STEP1に戻る次の問題で同じことを繰り返します。次の問題の先読みに入る理想のタイミングは前の問題の問題文が終了した直後。
STEP3までが問題文を聞く前の事前準備、STEP4,5は指置きからマークへの流れとなります。
事前準備に関してはどれだけ時間がなくてもSTEP1だけは完遂してください。
この流れでいざ解こうとすると、途中でわからない問題が出てきた際に悩むと時間がとられて、次の問題で先読みする時間がなくなってしまう問題に直面します。
先読みする時間がなくなれば正解を選べる確率が下がりますので、またそこで時間をとられる悪循環の始まりです。
もし、分からない問題が出てきたらサッと息を吸う用に捨ててください。
3/3正解を狙うがために一つの問題に執着して次の問題が0/3になってしまったら本末転倒です。
全体で正答数を積み重ねればいいわけですから、全体最適化できるように注力してください。
Part3,4はとにかく慣れです。僕が実際に使っている受験テクニックはこれが全てなので、あとは受験テクニックを自分のものにしてひたすら演習を積めばリスニングパート9割も夢じゃありません。
Part5,6:諦める勇気、考えない、止まらない
part5,6は文法と語彙が問われるパートで、TOEICの中で唯一英語の知識が問われます。
知っていれば解けるし、知らなければ解けません。
知らないなら考えるだけ無駄なので止まらずに、選択肢を選び続けるのがPart5,6のポイントです。
僕は855点を取ったときでもPart5は6〜7割位、Part6は6〜8割位しか取れませんでした。
どの公式問題集に取り組んでもこの正答率は変わりません。純粋に英語の知識が無いからです。
確かに解いた問題が増える毎にやや成長は見られましたが、1〜2割程度しか伸びていません。(ちなみに855点を取る前が790点でしたが、そのときはPart5,6ともに5割しか取れていませんでした。)
あとで一冊だけ文法の本を紹介しますが、もうひたすらそれを何周もしてフィーリングで解答を選べるようにしましょう。
Part5,6は出来るだけ時間をかけずに終わらせて、Part7に割く時間を長くすることに意味があります。
Part7:最低限1問1分、最後までたどり着くだけでスコアは上がる
最後の難関Part7。問題数が54問ととても多く、最後にはダブルパッセージ、トリプルパッセージと分量が多いのが特徴です。
そして特にこれといった受験テクニックも存在せず、ただただ情報処理能力が必要とされます。
一番のポイントは『とにかく何が何でも最後までたどり着くこと』です。
最後までたどり着くには『1問につき1分で選択肢を選ぶ』ようにします。
1問につき1分は最低限のラインです。むしろ序盤の簡単な問題では10秒、30秒で解く意識です。
Part5,6を20分で終わらせて、Part7に55分の時間を割いたとしても1問につき1分ではギリギリです。
最後のダブルパッセージやトリプルパッセージはどうしても時間がかかってしまいますので、1分以上かかります。
Part7はとにかく時間との勝負です。時間との勝負に勝つための問題の解き方のコツを紹介していきます。
設問を『森』or『木』に分類する
設問数が多い問題が増える終盤に近づいてくるにつれて『森』を問う問題が増えてきます。
特にダブルパッセージ、トリプルパッセージでは5問の内2〜3問が『森』を問う問題であることが少なくありません。
『森』を問う問題は複数のパッセージをまたいだ理解が求められるので、受験者の能力を測るのにちょうどいいのでしょう。
Part3,4と同じくまず設問を見て『森』or『木』に分類。
『木』の問題ばかりならラッキー!『森』の問題が多ければ少し身構えましょう。
設問の順番と本文から正解が出てくる順番は同じ
基本的に『木』を問う問題であれば、設問の順番と本文に答えが書いてある順番は一致します。
例えば設問が4問用意されているシングルパッセージで1問目が『森』2〜4問が『木』だとします。
3,4問目の答えは本文中から見つけられたけど、2問目だけは見つけられていないとなれば3問目よりも前の部分に2問目の答えがあるはずです。
読まずに正解を選べるならそれに越したことはない
必ずしも問題文を全て読む必要はありません。
設問を読んで必要な情報が何かを知ってから問題文を読んで正解を探すことによって、問題文を読む時間を減らしましょう。
一応念のために問題文を全て読んでおきたい気持ちも分かりますが、それでは全ての問題を解ききることはできません。
『設問を読む→必要な情報を知る→問題文から答えを探す→終了』です。
特に序盤の問題は本当に素直な問題が多く、ひっかけ問題が少ないです。
中盤を過ぎるとひっかけ問題が増えてきます。
こういった難易度の変化の流れやひっかけ問題のパターンは一概には説明できませんので、問題演習を行う中で掴んでいってください。
TOEIC800点を超えるためのロードマップ
これだけやればTOEIC800点を超えられるという指標があったほうが勉強がやりやすいですよね。
一応基準としては『公式問題集、もしくは公式問題集に準ずる問題を10セット完璧にすることを目標』としてください。
それなりに筋の良い人は5個完璧にしたら800点には到達できると思います。一応念の為10セットとしておきます。
いきなり公式問題集に取り掛かっても解説が丁寧ではないので、効率的ではありません。
ですので、TOEIC800点を超えるためのロードマップを示しておきます。
TOEICの重要事項をサラッと学習
この本は5日で80点上げるという名目で売り出されており(実際にできるかどうかは知らない)、薄いながらもTOEICの重要事項が究極にまとまっています。
まずはこの本でTOEIC全体を学習しましょう。
公式問題集に入る前に非公式問題集
公式問題集はTOEICを主催しているETSが作成しているので本番に近いのが売りですが、如何せん解説が不親切です。
どうしてこれが正解なのかといった根拠が分かりにくく、公式問題集に入る前にこの非公式問題集に取り組んだほうが学習効率は高いです。
公式問題集と同じ3,000円で、収録問題数が3セットと1セット多いのも魅力ですね。
携帯だと見にくいかもですが、Amazonプライム会員なら無料で利用することも可能です。
Amazonプライム会員は30日間無料お試しキャンペーン中です。
公式問題集シリーズで演習を積もう
非公式問題集を終えれば次に公式問題集に進みましょう!
公式問題集は1冊につき2セットの問題が収録されています。
TOEICは問題の形式などは毎回同じですが、各Partの難易度は結構変わります。
ですので、テストを受ける前は出来れば最新の公式問題集を解いて各Partの難易度をなんとなく把握しておくと良いですよ。
問題集を使った勉強の仕方
- 1回目は試験に準ずる形で問題を解く(まだ解説を見ない)
- 2回目は時間無制限で問題を解く(解説を見る)
- 95%以上正解するまで同じ問題を解き続ける
1回目きっちり2時間を用意して時間を測って解きましょう。
1回目を解いても丸付けはしてもいいですが、解説は見ないようにしてください。
2回目は一気に解かなくても、Part毎でいいので時間無制限で解き直してください。
ここでやっと解答を見ます。解答を見るときは『自分はどうしてこの問題を間違えたのか』理由を探るようにしてください。
「純粋に聞けなかったから間違えたのか」「単語の意味を知らなかったから間違えたのか」
自分の弱点が分かれば、その弱点を補えるように補助教材で勉強するなりの対策を行います。
そんなの面倒くさいわ!って人は英文をひたすらシャドーイングして頭に英語のリズムを叩き込むのがオススメです。
参考 シャドーイングwikipedia解いては解説を見て間違えた理由を探り、次は正解に出来るように何度も間違えるポイントは徹底的に潰してを繰り返しているとほとんど正解を選べるようになってきます。
そこまでやりこんでやっと次の問題に取り組むようにしましょう。
TOEICのスコアを上げる近道は『全部覚えてしまってる同じ問題を何回も解くこと』です。
新しい問題に触れたほうが新しい知識を得られて、スコアアップに貢献してくれるんじゃないかと思われるかもしれませんがTOEICに関しては違いますね。
だってTOEICは同じ問題しか出ないんですから。
形がほんのちょっと違うだけでほぼほぼ同じ問題なんです。
TOEIC英語の基礎力を付けて、実際の試験で練習した受験テクニックを発揮できればOKなんですから不必要に問題を解きまくる必要はありません。
TOEICは確実に広く浅く勉強するより、狭く深く勉強した方が効率が良い試験です。
先述したように上限は10セットとして1つ1つの問題を完璧に仕上げていってください。
この方法はTOEICに投資する書籍のお金も最小限で済みます。
オススメの副教材
僕は公式問題集以外に単語帳と文法の本を使っていました。
単語帳はこちら
金のフレーズはTOEIC受験者に大人気ですね。単語に関してはこれ1冊でOKです。
音声が付いているので、音声を聞いたり、時には自分で発音したりして単語を覚えていきましょう。
文法に関してはこちら
この本は簡単な問題から難しい問題まで全てまとまっていて、サクッと一周できます。
多分100周はしたかと思います。
最初から最後まで通して何分でできるかタイムアタックとかやってました。
実際の試験同様スピード感を意識してペラペラやっていきましょう。
TOEIC受験前のピーキング
最後にTOEICの受験前は試験中に集中力が切れないように事前に調整しておきましょう。
- 1週間前から最低1日1セットの問題を解く
- 試験前日は勉強してもしなくてもどちらでも良い
試験の一週間前から1日1セットの問題をしっかりと時間を測って2時間で解くようにしましょう。
このときに解く問題はこれまでに解いてきたものに限ります。
新しい問題を解くのは2週間前までに終わらせておきましょう。
試験前の1週間はひたすら同じ問題を解いては、丸付けをして90%以上正答している答案を見てニヤニヤしながら試験を待つ期間です。
『90%て!これ試験で同じことできたら900点超えてるってことやで?』とひたすら気分を盛り上げます。
この期間は悪いものは見ません。Twitterを見てイライラしがちな人は1週間辞めましょう。負ける確率が高い合コンにも行かないようにもしましょう。
試験前日はTOEICをやりたければやってもいいし、やりたくないならやらないでもいいですね。
ただ家に引きこもって夜寝れなくなって試験当日を寝不足で迎えるのだけは避けましょうね。
受験に必須の道具もしっかりと筆箱に入れておきましょう。(耳栓忘れがち)
おわりに
出来るだけコンパクトにまとめたつもりでしたが、最終的には1万4,000字にもなってしまいました。
出来るだけ多くの方に分かってもらいやすいように丁寧には解説したつもりですが『この部分分かりにくい』とか『この部分はこういう認識であってるのか?』とか『もっとこうすればいいのに』といったご意見、ご要望をコメントで受けますので、もしあれば教えてください。
TOEICは正しく勉強法を知り、しっかりと努力すれば必ず良い結果が得られる試験です。
この記事ではスコアを上げるための正しい勉強方法をお伝えしました。後はあなたが努力するだけです。頑張ってください。
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